不動産の「賃貸」ではなく、「賃株」というものをご存知だろうか。文字通り、株を貸し出すというものだ。
証券会社に保有する株を貸し出して賃株料を受け取るという、「賃株」を行う個人投資家が増えているという。賃株は通常、空売り目的で用いられる。空売りとは、信用取引で用いられる。例えば10万円で借りてきた株を10万円で売却して、その株が最安値(この場合には8万円する)で買い戻せば、売却価格が購入価格を上回るので利益が出る(10万円-8万円=2万円)というわけだ。
賃株を行っているのが「個人投資家」だというのがポイントだ。従来、賃株は株を大量に保有している機関投資家(生保や信託銀行)などが行っていたのだが、証券会社の賃株サービスを通じて間接的に個人投資家も取引が可能となった。個人投資家も始めるようになった背景として、株式市場の低迷などが挙げられる。この賃株サービスは、2003年に証券業界では初めてマネックス証券が開始した。
賃株の仕組みは、次のような流れになる。
①証券会社が預かった株を取りまとめる
②その株を、別の証券会社や機関投資家に貸し出す
③貸し出す際、株を貸し出した証券会社が金利を受け取る
④株を貸し出した証券会社が、投資家に賃株料(貸株金利)を支払う
賃株は、「塩漬け」の株を有効に活用できるというメリットがある。塩漬け株とは、価格が上がると思って購入したが予想に反して価格が下がってしまい、売却すると損失が出てしまうので、そのまま仕方なく保有を続けている株のことだ。もちろん、株の漬物のことではない。
ただし、貸株では注意すべき点もある。通常は、証券会社が倒産した場合でも保有する株には影響が出ないのだが、貸株の場合は戻ってこないのだ。
